夏歩編~最終章~

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「剥がした?何の話?」 おばちゃんも、よく理解していない様子。 「だから、募集の紙!今朝貼ってあったでしょ?」 募集? もうすぐ帰る奴がバイトでもしようと言うのか? つか、このままあんくん宅に住み着くつもりなのか? いやいや、無いだろう… 俺の知る限り、夏歩はそんなアホではない… 「あぁ、棚卸しのバイトのチラシ?」 「そう!それだ!それ!」 棚卸し? あぁ~…なるほど。 その100均では、品数が多すぎる為、外から棚卸し専用のバイトを日雇いしていたのである。 ちなみに、1日限り朝から昼までの3時間で4千円。 履歴書もいらず、3時間数を数えるだけの単純なバイト。 どうやら、夏歩は棚卸しのバイトに登録しようとしていた様だ。 「あれ、人数集まったから募集終わってん…泰平ちゃん、もっと早く言うてくれたら店長に言うてやったのにぃ…」 「そうだそうだ!泰平のバカヤロー!」 待て待て待て… 今、つか数秒前まで知らなかったんだが……。 「せっかくあたしの奢りで寿司でも行こうと思ったのに…」 それなら、早く言えって感じだが… ぶっちゃけ、気持ちだけは嬉しかったりした。 「まぁ、気持ちだけとっとくよ。買い物して帰る?」 「いらん。サプライズ棚卸しの為に来ただけだ!忘れたか?あたしはダイエット中ジャマイカ!」 いや… もうどこまでが、本気か解らん…そんなサプライズいるか!? そんな事を思いながら、100均を後にしたのだった。
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