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「あれ?中華嫌いやったん?」
例え、味付けが全てインスタント任せだとしても、材料を買い込み調理している亀子に向かって、中華を食ってきましたとは言えない心優しい俺…
「いや、好きだよ。中華…」
「よかったぁ♪」
そう言いながら、調理に勤しむ亀子。
この驚愕の事実を夏歩に伝えるべきなのか……
しばらく、亀子の隣で洗い物を片しながら、考えた結果…
夏歩に伝えない事に決めたのだが…
時既に遅しであった。
隣の部屋から聞こえる、あんくんの声…
「なっちゃん中華好き?青椒牛肉とか酢豚とか。」
「うん。好きだよ!さっきもバミヤーンで青椒牛肉食ってきたしな!でも、全部食べれなくてさぁ、泰平にも手伝ってもらったんだよ!」
あぁ~あ、言っちまった…
「え?食べてきたん?」
凄く寂しげな、あんくんの声…
さらには、隣の亀子も冷めた目で俺を見つめた…
つか、俺が悪いのか?
作るんなら作るで、電話でもメールでもしたらいいやんけ!?
と、開き直ってもよかったのだが…あまりに酷だ。
「大丈夫。俺中華好きだから、まだまだ食えるよ!」
と、隣の亀子に声をかけていた…
つか、何で俺が気ぃ使ってるん?
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