夏歩編~最終章~

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そんな格闘を繰り広げる事数分… ガバッと体を起こし、虚ろな瞳で俺をジーッと見詰める夏歩。 目開いてる? 半分くらいだろうか… まだ完全には目を覚ませていないようで、無言の夏歩はただただ俺を見詰めていた。 「お、おはよぅ…」 「………。」 ゆっくりと夏歩の黒目は、俺の方から左側へゆっくりと動いていき、視線が落ち着いた先は、昨日あんくんから徴収した、ドラゴンボールフィギアだった。 「お~ぃ、起きたかぁ?」 「………。」 俺の問い掛けに、まだ反応を示さない夏歩。 なんか、野生の動物を観察している気分である。 ディスカバリーチャンネルのカメラマンになった雰囲気と言った方が正しいだろう。 AV(アニマルビデオ)だな。 とりあえず、餌付けしてみよぅ。 「なんか、飲むか?随分寝たし喉乾いたやろ?」 「…………。」 また無言か。 そう思った刹那… 夏歩は頭を小さく縦に振り、小さく呟いた… 「ミックスジューチュ……サンガリヤの………」 絶対やめとけ! 喉乾いた時に飲む様なもんちゃうし!? つか、ミックスジューチュねぇよ!! そう思いながら、恐る恐る冷蔵庫にあった、ラスト1本のナタデココのジュースを手渡したのだった。
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