崩壊・1

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お母さんは笑いながらそう言った。 私は嬉しくなってそれからたくさんお手伝いをするようになった。期待を込めた眼差しで。 ―――そう。間違いは、ここから始まっていた…。 「ねえちゃん、こっちにいっぱい花咲いてるっ」 一足先に駆けて行った小さな弟が庭から声を上げた。 「ほんとう!?」 私は茂った草をかき分け、弟の元へ行く。お父さんたちは家の中に入って行く。 ―――嗚呼。『幸せ』だ。これがシアワセだ。     美琴は、小さな自分が笑っているのをぼんやりと眺めている。
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