崩壊・1

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そこは緑のお家だった。 綺麗なお家。あんまり大きいわけじゃないのだけれど、ツタが這っているレンガの壁や門、草が沢山生えている庭のせいで、とっても大きなお屋敷みたい…。 「気に入ったか?」 「うんっ!」 私が頷くと父さんは笑った。 「でも、よく買えたわね、あんな格安で」 「あぁ。ラッキーな買い物だったよ」 初めてこのお屋敷を見たとき、私はお母さんに『ここはお姫様のお家?』と聞いた気がする。ちょうど、持っていたプリンセスハウスというおもちゃによく似ていたから。『いいえ。ここにはお姫様はいないわよ。だけど、いい子にしていたら、みこちゃんのお家になるかもしれないわね』
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