#01-SILENCE

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* * * * * 私立VIP高校、ここに僕らはいた。 屋上といえば、よく生徒が授業をサボって来ていたり、昼休みに使用されてたりする。屋上とは、人と心の交流の場なのだと断言してもよい。……最近は屋上に出られない学校も増えていると聞いて、夢を打ち砕かれた学生も少なからずいるであろう。 「先生? ここにいたんですかお」 雲一つない、いい天気。大分湿っぽくなってきた空気が鼻を擽る。階段を上って、屋上入口部分の上。シャツにネクタイを締めたクーがいた。 「あぁ……」 「教師ともあろうお方が、サボりですかお?」 シャツは新品だが、何か臭う。 「まだ血の臭いがするんだ……あのデブの野郎、こんな臭い血は初めてだよ」 「前もそれ言ってませんでしたっけ?」 「あぁ……そうだったかな?」
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