#01-SILENCE

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綺麗な黒い長髪からは、ほんのり香る、血の臭い。流石にこんなでは人前で授業なんて出来やしない。 僕もそこへ上り、彼女の横へかける。ここしばらくで、臭いには慣れた。 「そうそう、新しい依頼が入ったお」 「そうか。今日は大丈夫なんだろうな?」 「それは未来のことだから、わからないお」 僕はポケットから排煙に塗れたような黒く汚れた封筒を取り出し彼女に渡す。開くと、中から殴り書きのような汚い字で綴られた手紙が見えた。 「……場所がここになっているんだが何故だ?」 手紙の内容は、とても簡単だった。 『助けてください! 午後一時二十分、VIP高屋上で待ってます』 たったこれだけ。 「契約破棄……」 「駄目だお、依頼は依頼だお」
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