3846人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、ひかる。なんて書いてあったの!? やっぱりラブレターだった!?」
一人になれる場所を探し、手紙を読み終えて教室へと入ったひかるの元に愛流が詰め寄った。
心なしか焦ったような愛流に戸惑いながら、ひかるはうなずいた。
「うん。多分、そうだと思う」
「多分ってどういうことよ!」
さらに詰め寄る愛流から逃げるように体を引く。
「まあ、ほら。詳しくはあれだけど、会って伝えたい事があるって書いてあったから」
さすがに手紙をくれた人の気持ちを考えると、内容を正確に伝える訳にはいかない。
ひかるは言葉をにごしながら答えた。
「で、誰からだったんだ?」
愛流と一緒にやって来た達也が問う。
「さあ」
「は?」
「それがさ、分からないんだよね。書いてなかったから」
「なんだそりゃ……うおっ!」
顔をしかめる達也を押し退け、愛流が再び詰め寄った。
「どういうことなの!」
その剣幕に圧倒されながら、ひかるは話せる内容を選んで説明した。
最初のコメントを投稿しよう!