その放課後になる前に

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「玲菜ちゃんも気になるよね!」 「わ、私は別に気になりませんわ。ええ、これっぽっちも」 「ええー!そんなに気になってます、って顔してるのにー」 「べ、別にこれは普通の顔ですわ」 「嘘。すっごく心配げな顔してる」 玲菜が何を言おうとも愛流は認めない。 事実そうなのだから仕方のないことなのだが、そうでなくとも愛流は引き下がらなかっただろう。 「だってさ、だってさ、ひかるの貞操の危機なんだよ!?」 「嘘っ!? ぼく、貞操の危機なの!?」 「そうよ! 簡単にホイホイついて行っちゃったら大変なことになるんだから!」 「ぼくは愛流ちゃんの頭が大変なことになっている気がするけど……」 「このアホ毛はチャームポイントだもん!」 「いや、そっちではなく」 もうひかるが何を言おうと止まらない。 「だってさ! ひかるこんなに可愛いんだよ!? 告白する人は二人っきりになったら絶対に襲っちゃうって!」 「なるほど。可愛いってのはやっぱり罪だな。よっ、この犯罪者!」 基本的に面白い事が大好きな達也は、愛流をいさめることなど最初から頭にないようだ。 「いや、ぼく男だからね? それにその場合、明らかにぼくが被害者だよね」 ひかるはすがるように玲菜を見るが、玲菜はフイと顔を反らした。
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