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夢衣と僕はうつむいて、その手の中の絆を確かめあっていた。
いつまでも・・・いつまでも。
悠久(ユウキュウ)の時間に漂うように。
お互い次の言葉が見つからず、無碍(ムゲ)の時間をごまかすように、潮騒(シオサイ)のカケラを見続けた。
どれくらいそうしていたのか、唐突に、まだるっこさを覚えた風が、急かすように僕達の火照った体に吹き付けた。
二人の間に滞留した温もりが風に流され、止まったままの時間が少しづつ鼓動を始めていた。
「そろそろ行こうか」
僕は沈んだ声でそう呟くと、彼女の小さな手を壊さないようそっと握りしめる。
それから、網戸の破れた縁側の軒先に向かって歩を進めていった。
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