集いし七人……

2/6
前へ
/444ページ
次へ
試合会場に……二回戦を生き残った7人の選手が集められた……。 それぞれ、二人の黒服に見張られ、両手は拘束されたまま……会場のモニターに向かうように、開かれた扉を挟んで一列に整列している。 モニター側より、左から…… 《院生》……正面をしっかりと見据え、堅く口を結んでいる。その表情からは、何か強い決意を秘めている様に感じさせる。 二回戦で受けた右足の傷、また打撃のダメージを少なからず残している。 《スカー》……左目の傷痕、薄く笑みさえ浮かべた余裕な表情……試合は一戦のみだが、その冷徹さを十分に漂わせている。 黒のスーツは粉まみれであるが、外傷はないようである。 《白髪》……二回戦で顔を覗かせた残酷さ……それは、今は感じさせてはいない。 その立ち姿は、普通の老人のそれであった。 《黒髪》……長く伸びた髪に覆われ、表情は読み取り難い……が、何かに従う様に努めて冷静に振る舞っているように見える。 少なくとも体にはダメージは無いようだ。 《白面》……相変わらずの冷笑……只、それが少しぎこちなく感じさせるのは、心境の変化によるものなのであろうか。 その細い体に、激闘の痕は感じられない。 《黒帯》……一層、青ざめた顔色……が、その眼力は衰えを見せてはいない。 全身の負傷……それを物ともせずに、堂々と立っている。 《ライター》……ひょうひょうとした表情は、自分の心理を他人に悟られない為であろうか……。 やや猫背の立ち姿で、そこに仕方無く立たされているといった風貌である。 七人は、横に居並びながら、互いに意識している筈ではあるが、誰一人として視線を正面から動かしてはいない。 『皆さん……』 突然、会場に響いた声……最早、聞き慣れた《ケイ》のものである。 《院生》は、それに僅かな反応を見せている。 『皆さん、三回戦進出おめでとうございます』 巨大モニターが、《ケイ》の姿を映し出した。
/444ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1982人が本棚に入れています
本棚に追加