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な、なんなの、これ?
私は夢でも見てるの?
ひかるは今、目の前で起こっている状況が理解できずにいた。
そっと頬をつねってみた。
「痛ててて!夢じゃない・・・・・・」
何度もつねり揚げたひかるの頬はまるでりんごのように赤らんでいた。
そう、これは夢ではない、紛れもない現実。
自分の頬を何度もつねっては悶絶するひかるの様子を、銀髪の青年は不思議な顔で見つめていた。
ひかるは青年の視線を感じとり、ふと我に返った。
「す、すいません。あなたはどちら様ですか?」
ひかるは何を聞いていいのか判らず、思わずこんな事を聞いてしまった。
銀髪の青年は呆れたように首を振りながら失笑をすると、ひかるを見つめ直して言った。
「当然の反応といえば当然か。俺は天城風雅(てんじょうふうが)だ。SGFの司令官の命によって君を迎えに来た。曽根川ひかるだな?一緒に来てもらおう」
な、なんなんだこの人は!
SGF?何それ?聞いたこと無い。
っていうかなんで私の名前を?
いろいろな考えがひかるの頭の中を駆け巡り、ひかるは半ばパニック状態に陥っていた。
風雅はまたしても深いため息をつくとパニック状態のひかるに向かって呟いた。
「来い。お前に本当の空を教えてやるよ」
空・・・・・・
風雅の声にひかるはハッと我に返った。
「空を飛ばせてくれるの?」
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