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「もう、大丈夫か?」
風雅はやっと落ち着きを取り戻したひかるの顔を覗き込んだ。
ひかるは両手で涙を拭いながら答える。
「うん、大丈夫。ごめんなさい。急に泣いちゃったりして。」
ひかるは恥ずかしそうに下を向いた。
どうしよう、知らない男の人の前で泣いちゃったよ・・・・・・
ひかるは急に今までの自分が恥ずかしくなり、前を見ることが出来なかった。
「いや、いいさ。お前はよっぽど空が好きなんだな」
風雅は嬉しそうにひかるの顔を見つめながら言った。
「はい、私の恋人ですから」
ひかるは満面の笑みを浮かべると少し恥ずかしそうに答えた。
長年探していた恋人にやっと会えた。
そんな気分だった。
その時、けたたましい警告音が機内に鳴り響いた。
「くそ、奴ら。ついに来やがったか。ひかる、しっかり掴まってろよ!!」
そう言うと風雅は機体を急旋回させた。
「うわわわわ」
ひかるの体が強烈な重力で壁に押し付けられた。
ひかるは風雅に文句を言おうとしたが、目の前の光景を見て思わず言葉を失った。
「ロボットがいっぱい・・・・・・」
気付くと、そこには漆黒のボディのロボットが、風雅たちを包囲するかのように飛んでいたのだった。
4機・・・いや、5機か!!
風雅の表情はさっきまでの穏やかな顔は消え、パイロットの顔に変わっていた。
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