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病室のベットの上で、少女は窓の外をただ呆然と眺めていた。 台風が通り過ぎたばかりの空はどこまでも青く澄み渡り、雲ひとつ無い空は窓の外にどこまでも広がっている。 「本当にひかるは空が好きなのね」 ベットの横で編み物をしていた少女の母親は手を止めると、少女の顔を見ながら微笑んだ。 母親はベットに腰を掛けると少女の頭を撫でた。 「だって、空はこんなに大きいんだよ。空を見てるといろんなことがわかるの。風の音も虫の声も草の匂いも。私もいつか空を自由に飛んでみたいなぁ・・・・・・」 少女はそう言うと急にうつむきベットのシーツをギュッと掴んだ。 物心ついた頃から病室のベットで暮らしてきた少女は外の世界を知らない。 その様子を見た母親は少女の頭を引き寄せるとそっと抱きしめた。 「大丈夫、ひかるは行けるよ。空の向こうまで。きっと・・・・・・」
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