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愛流と別れたひかるは町外れの小高い丘の上に来ていた。
この丘は町から外れた場所にあり、平日には人がほとんどおらず、まるで時が止まったように静だった。
誰にも邪魔されずに空が見渡せるこの場所に、空を見に来るのがひかるの日課だった。
生まれつき体が弱く、部活をしていないひかるは、学校が終わると毎日この場所に来ては空を眺めているのだ。
「よいしょ」
ひかるは青く生い茂った芝生の上に座ると、空を見上げながら寝転がった。
空は青く澄み切っていて、風の流れがはっきりと感じられる。
「きれいだなぁ・・・・・・」
そう言うとひかるは静かに目を閉じた。
心地よい風が頬を伝っていく。
まるで空に浮いているような気分にひかるは浸っていた。
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