『2人の少年』

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 入学式を控えた『ブルームーンハイスクール』の校門には、続々と新入生達が詰め寄っていた。  『ブルームーンハイスクール』は至って普通の公立高校。  しかし、校門の前には明らかに雰囲気の違う高級車。車体の脇には『カプセルコーポレーション』のロゴマークがあった。  「いいか。せっかくお前の望む公立校に入れてやったんだ。  必ずトップを取れ。」  後部座席に座るこの男こそ、現『カプセルコーポレーション』社長ジョン・ブリーフである。  「…わかってるよ。」  少年が車を降りると、周りの生徒達の注目を浴びた。  「おい、あれ!」  「あ、カプセルコーポレーションの!?」  「まさかぁ?次期社長がこんな高校に?」  周囲の視線を感じると、少年はこそこそと門へと向かった。  「エドー!帰りも迎えに来るからな!」  車内の父親が、息子の背中に呼び掛けた。  
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