~プロローグ~

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魔王が望むのは、力に対する力の闘争である。 水か上から下に流れるように、弱いものは強いものになびいていく。 ならば、圧倒的な力で支配してやろう。 己の目標を達成するためには、水流の秩序を破壊することもいとわない。 人は外道の逆恨みと、罪人の詭弁だとあざ笑うかもしれない。 けれど、人々が"魔王"の罪を憎み、"魔王"という人間を軽蔑したとしても、"魔王"の信念の中の心理にはある程度共感するものがあるはずだ。 それが証拠に、"魔王"は必要十分な資力と、手駒のように動く"こどもたち"を手に入れた。 彼らは犯罪計画を実行に移すために必要な役者であり、"魔王"との悪魔的な契約に縛られた信奉者だった。
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