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「ッくしょー! ジョーンズの野郎!」
男が毒づき、頭を左右に振る。
明るい金色の髪がバサバサと揺れ、そこから粉のような細かい雪が舞う。
「あのジジイ、しつこいったらありゃしねー!
おかげでこんなとこに来る羽目になっちまった……」
男の名は、サンジェル・ダージリン。
本人曰く、『紅茶みてーで気に喰わねー名前』とのことで、彼を知る者はサンダーと呼ぶ。
その評判のみを知る者は、彼を『キルクレイジー』と呼ぶ。
なぜなら、サンダーは凶悪殺人犯として、大陸指名手配中だからである。
サンダーの口から出たジョーンズとは、フッケン・ショー・ジョーンズ大陸保安官のことだ。
ジョーンズはサンダーを目の敵に大陸中を駆け回る捜査官で、つい数時間前もサンダーは追い詰められ、その逃亡劇の結果、この北の町へとたどり着いたのだった。
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