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「俺は身体に電気を蓄えたり、電気を発したりする事が出来る。
見張りの連中もこれで気絶させた」
サンダーはそう言い天井の照明に向かって電気を放つ。
すると照明の灯りが明るさを増す。
「君と同じ、能力者なんだよ」
驚きを隠せない少女は再びペタンと椅子に尻餅をつく。
「そう、だったの…… ごめんなさい」
「謝ることじゃあないさ。
だが、明日にはここに英雄がやってくる。
恐らくは君のその力を利用する為だろう。
だから、その前に俺は君を助けに来た」
「えいゆう?」
「ああ、俺達と同じように能力を持つ、世界の支配者達さ。
まず話は後にして、ここから離れよう。
それとも、コーヒーブレイクといくかい?」
床の紙コップに目をやって言う。
「あたしはジュースがいいわ。
苦いのは嫌いだもの」
少女が紙コップを持ち上げ、茶色からオレンジ色に変化した液体を飲み始める。
「羨ましい能力だな」
サンダーはニッと笑って見せる。
少女もそれにつられ、初めて笑顔を見せた。
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