ノースダコタ

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*** 夜明け前。 窓の外がほんのりと白んでくる。 そろそろこの娘が居なくなったことに気付かれるだろう。 その前に連れ出さなくてはな…… 英雄の相手をするのはその後だ。 サンダーはあどけない寝顔をみながら思った。 「ううん……」 倉庫で見つけた埃っぽい毛布にくるまり、寝息を立てる少女。 毛布には微弱な電気を流し続けて温めてある。 こう寒いと電力の消費が激しくていけねえ。 夜明けまであとわずか。 もう少しだけ休もうと目を閉じた時、警報が鳴り響いた。  
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