96人が本棚に入れています
本棚に追加
廊下に出ると、闇の向こうからアッサムの手下達の声が聞こえる。
突然の停電に混乱しているようだ。
「離れずについてくるんだぞ」
サンダーの言葉にコクリとうなづく少女。
足音を殺して廊下を進み、階段を降りる。
途中で出くわした手下達は銃を構える間も与えずに感電させる。
大した障害もなく1階の広い作業場までたどり着く。
あとはどこから外へ出るかだ。
暗い工場内では目立たなくとも、外は銀世界。
外へと出れば、2人の存在は白いシャツに飛んだ染みのように目立つだろう。
まだ夜が明ける前に脱出するべきか、それとも闇に乗じて敵を片付けてから悠々脱出するべきか。
作業場の機械の影で悩んでいると、不意に外から明るい光が射し込んできた。
最初のコメントを投稿しよう!