96人が本棚に入れています
本棚に追加
「貴様、そこで止まれ!
娘はどうした!?」
灰色の防寒スーツに身を包んだアッサムの兵隊が4人、銃を構えてサンダーを囲むように扇状に拡がる。
「……雑魚に用はねぇ。
アッサムと話させろ」
サンダーの視線は目の前の兵士ではなく、その先のアッサムを指している。
「生意気な口を!」
兵士が銃口を少し下げ、サンダーの足を狙って引き金を引く。
瞬間、サンダーの姿が消え、その兵士の背後に現れる。
「雑魚に用はねぇって」
トンと首筋に手刀を入れると、兵士は雪の中に倒れる。
「なっ!?」
驚く残り3人の兵士達も、拳と蹴りで何もさせずに片付ける。
「あの子は返さない。
俺も死ぬつもりはねぇ。
そうなったら戦争するしかねーよなぁ!?」
アッサムに向かって大声で叫ぶ。
その声は吹雪にかき消されることなく届いたらしい。
投光器と銃口が一斉にサンダーに向けられる。
「上等だ。
宣戦布告、受けて立つぜ」
ニヤリと口の端を歪めて笑う。
最初のコメントを投稿しよう!