ノースダコタ

42/54
前へ
/68ページ
次へ
  「てめぇにじゃねぇ。 俺はあの子に"自由"をプレゼントしに来たのさ」 サンダーはそう言い、右手を銃の形に構える。 アッサムが両手を突き出して身構える。 「……パーン!」 指先から細い稲妻が放たれ、アッサムを貫く。 「まだ聞きたいことがある。 しばらく寝てな」 またも雪に顔を突っ込むアッサムを背中に、工場へと足を向ける。 いつの間にやら、吹雪は嘘のように止んでいた。 遥か東の空から、ゆっくりと朝日が顔を出し始めていた。  
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

96人が本棚に入れています
本棚に追加