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あえて破壊せずに残しておいたハマーの助手席に少女を乗せ、後部座席に気絶しているアッサムを放り込む。
「よし、じゃあまずは町に向かおう」
サンダーも運転席に収まり、エンジンをかけようとした時……
聞き慣れた、いや、聞き飽きたサイレンの音が響いてくる。
「サンダー!!逃がさんぞ!!」
パトカーの窓から身体を乗り出して叫ぶ声。
その聞き慣れた声と台詞についため息が漏れる。
「ジョーンズの野郎……」
ビルでの逃亡から1日半。
駅からここまでよく追い付いたものだと感心する。
パトカーが3台、雪を撥ね飛ばして停車する。
大きくドアを開き、ジョーンズが文字通り飛び出してくる。
部下の警察官達も同様だ。
「手を上げて車を降りろ!
人質の少女を解放するんだ!!」
「やれやれ……、面倒臭ぇ」
ジョーンズの怒鳴り声に首をかしげる少女を尻目に肩をすくめるサンダー。
その時、ヒュルルと風を切る何かの音が近づいてきた。
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