ノースダコタ

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  サンダーの能力は肉体に電気を蓄え、放出することと、肉体そのものを雷に変化させること。 とは言え、その能力も無限ではない。 蓄えた電力あるいは、体内のエネルギーを変換して練れるだけの体力が尽きてしまえば、もうその能力は使えない。 アッサムとの戦いでかなり電力を消費してしまっていた。 電線を滑り降りた時に貯めた電力はもはや底をつきそうだった。 しかし、車は既に破壊され、"充電"出来るようなものは周囲にはない。 「そろそろ電力が尽きるんじゃあないのか? お前のチャチな力でこの俺は倒せんよ」 カノンが高笑いを上げる。 その言葉通り、もはや電力はゼロに近い。 身体の中で電気を作り出そうにも、寒さでエネルギーが奪われ、それも難しい状況だ。 こんな時、ゲロルが居てくれたら…… 親友で、相棒だった男。 敵となり、自らの手で殺した男。 「ゲロルの能力なら俺の能力にも対抗出来たのにな。 お前が逆らわなければ全てこんなことにはならなかった。 その娘を助けに来たのはせめてもの罪滅ぼしのつもりか?」 「やはり……あの子はゲロルの……」 サンダーにはもはや声を出すのも一苦労だった。 カノンがゆっくりと歩み寄り、サンダーの襟首を掴んで持ち上げる。 「ちょいとお喋りが過ぎたか。 まあいい、ここでお前は死ぬ。 あの娘は我々の仲間として能力を活用させて貰う」 カノンの拳がサンダーの腹に深くめり込む。 身体が徐々に鉄へと変化していく。 肉体を電気化してそれを解除するだけの電力ももう残されてはいない。 ……駄目だ……  
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