光り エピソード3

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  ローレン(10才くらい) 「…父さん…母さん……姉さん……」 ローレン 『俺の住んでいた村は、突然襲われた。家族は皆殺された。俺は奴隷として売り飛ばされる…』 マリナ(10才くらい) 「貴方さっきからずっとボーとしてるわね?」 ローレン 『俺と同い年くらいの女の子が話しかけてきた。服装はキラキラして、部下を何人も連れている。お金持ちのお嬢様みたいだ』 マリナ 「決めたわ!貴方うちに来なさい!」 ローレン 「えっ??」 マリナ 「えっ?じゃないわ!貴方名前は?」 ローレン 「ロ、ローレン…」 マリナ 「あたしはマリナよ!」 ローレン 『そう言って、ニコッと笑ったけど、俺にはどうしていいかわからなかった。そして馬車に乗せられついた所は…』 マリナ 「ここが私の家よ!」 ローレン 「こ、ここは……」 マリナ 「そうここは、この国『アルデシア国』の城よ」 ローレン 「君は一体…?」 マリナ 「私はディール・アルデシア王の娘、マリナ・アルデシアよ」 ローレン 『そう言ってまた、ニコッと笑った。そして俺は、マリナ姫の奴隷として働いた。ほとんどが掃除やら洗濯の下っ端仕事で、馴れない事をして毎日疲れていた。時々マリナ姫が話しかけにきた。 そんなある日、村が襲われた時の夢を見た。俺は悲しみと怒りに襲われた。この国の王にも、同じ苦しみをあじあわせてやりたいと思った。 マリナ姫を殺して、自分も死のうと思った。 マリナ姫は何時ものように、話しかけてきた。俺は厨房から盗んだナイフを隠し、隙を見て殺そうとした。 でも、出来なかった…。 マリナ姫が来るたび来るたび、殺せ殺せと心の中で叫んだけど、俺には無理だった… マリナ姫が楽しく笑うその顔を、守りたいと思い始めていたから…』  
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