― 1章 ―

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この世界に足を踏み入れて十数年。 自分で店を構えて8年。 やっと軌道に乗れたといったトコかな。 なんて最近は思える余裕が出来た。 開店してからは、無我夢中だったからだいぶ記憶が薄い。 でも、まだまだかなぁ~ この業界ではまだ若い経営者だし、そう考えると全然余裕なんて持っちゃいけないと、頭をフルッ とひと振りして、1日の最後の仕事の店内の照明を消す。 それまではどんな事があっても酔ってる事を隠し通す。 「はぁ…今日は少し飲みすぎたかなぁ」 なんて独り言を言いながら、店の鍵を掛けた。 同じビル内からカラオケの音が聞こえるので、まだ営業している店があることを意味しているのがわかる。 小さいため息を一つしてビルを後にした。 .
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