― 7章 ―

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出掛ける時の日課の灰皿を片付けをし、急いでブーツを履きエレベーターに向かった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ マンションの入り口付近に止まっている車の側でタバコを吸う臣の姿が見えた。 意外と細身な濃紺のパーカーに足の長さを強調する様な白いスリムジーンズの出で立ちでタバコを吸う臣はとても様になっている。 私の存在に気付くと携帯用灰皿にタバコをねじ込む。 「おはよう。ちゃんと起きれたんだ。」 「おはよう。当たり前でしょ、時間にルーズなのは嫌なの」 待つのも嫌い、待たせるのなんてもってのほか。中には待ち合わせ時間に家を出る輩もいるなんて信じられない。 さりげなく助手席に回りドアを開けてくれる彼は紳士的。 「どうぞ、姫。」 「姫はやめてよ…姫って年じゃないんだから」 と彼を見るとクックと喉の奥を鳴らし笑ってる…血は繋がらなくてもやっぱ鬼畜兄弟だわ。 ちょっとふて腐れた様に睨んでやった。 .
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