― 7章 ―

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行った時には臣と硲さんが何か言葉を交わしたみたいで、うっすら耳が赤い。 「ご馳走様でした、また来ますね。添田の店で会ったら声かけてくださいね。」 「こちらこそ。ありがとうございます。じゃ今度は匡紀のとこで飲みましょうね。それと、臣、いい奴でしょう?」 「硲さんっ!」 グイっと腕を引っ張られ強引に出口に向かう。 え?何? 「涼子さんまたね。臣も頑張って。」 ヒラヒラと手を振る硲さんを後目に半ば強引に店から連れ出された形の私。 「臣?」 我に返ったのか、ごめんと掴んでいた手を放した瞬間手の甲を口元に当てながらフィと横を向いてしまったが…硲さんに何を言われたのかな? 「行こっか。」 「う、うん。」 促されるままに車に乗り込んだ。 .
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