赤い星

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「あのう、私起きていますけど」 「あっ、起きた!」 雫が驚いて声を上げた 女性はベッドから降りると 「私、服部小雪と申します」 小雪は丁寧に頭を下げると健は慌てて 「あっ、雨宮健です」 「妹の雫です」 3人は無言が続くと 「今、いつですか?」 小雪は健に聞いた 「西暦2009年、平成21年です」 健が答えると小雪は首を傾げて 「分かりません。私が眠りについたのが慶応4年です」 「慶応4年は1868年だから141年寝ていた訳ですね」 「お兄ちゃん凄い」 「当たり前だ、専門は日本史だ」 「小雪さんはお幾つなんですか?」 雫が興味深そうに聞いた 「17歳です」 「小雪さん私と一緒ね」 「いや、158歳だ」 「お兄ちゃん可哀想だよ、そんな事言ったら」 「すみません」 健は小雪に頭を下げた 「小雪さん住まいは?」 「服部家上屋敷です」 「それは知っている半蔵門ね」 雫が言うと健は 「と言ってもあの辺りにはビルしか無いし」 「お兄ちゃんうちに来てもらえば良いじゃない行く所が無くて気の毒だよ」 「なんて言うんだよ。親父に」 「そうか・・・」 「小雪さん、剣術のほうは?」
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