仲間

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健は小雪の顔を覗き込み同意を求めると自身ありげに小雪は答えた 「もちろんです、幼き時より鍛錬を積んでまいりました」 「ですよね、親父になんて言えばいいかな」 「気にせずとも良い、私は野宿に慣れている」 「気にせずと言ってもねえ、気にするわよ」 雫は小雪を心配して言うと 「とりあえず親父に話そう、部屋は開いているんだし」 「そうだね」 2人は開き直って腹を決めた 「さて戻ろう」 「はい」 健が出口に向うと小雪は優しい声で返事をした 「小雪さんどうしてあそこに眠らされたの?」 雫が思い出したように聞いた 「水神様のお告げで、何年か後私の力を必要とする者が現れると言われて」 「きっとアクアが言ったのね小雪さんは忍者なの?」 「はい、水遁の術を得意としています」 小雪は袋と1振りの刀と3口の短刀を持った 「それなんですか?」 雫が聞くと小雪は恐る恐る答えた 「あの部屋に奉納してあったものです」 「そうですか、持ちましょうか?」 「いいえ、けっこうです」 小雪は2人を疑っていて刀を渡そうとしなかった 3人は部屋を出て健が入り口の鍔を取ると石の扉が閉じた 「その鍔は?」 「僕が持ってきました」 「ははっ」 健の前に小雪は、膝まついた 「どうしたんですか?小雪さん」 「お告げでは、石の扉を開いた者に従うようにと言われております」 「まあ、そんな事どうでも良いですよ。さあ、帰りましょう」 健は小雪を立つように言うと真っ暗な洞窟を歩き始めた
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