仲間

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1時間後3人が入り口に着くと健が神妙に小雪に言った 「小雪さん、何が有っても驚かないでください、150年後ですから」 「わかりました」 3人が外へ出ると緑の庭園を見た小雪は 「たいした変化は無いようですね」 「ああ、ここはね」 タクシーに乗って外を見ている小雪は車、高層ビル、音楽を聴いて気を失いそうになっていた。 ふらふらになっている小雪を自宅兼骨董店に運び込むと 父親の亘に事の経緯を話した 「おい、お前達嘘をつくならもっとうまい嘘をつけ、彼女を雫の同級生で家出したとか健の彼女とか」 「お父上それは違います。お2人の言っている事は真です」 小雪は真剣な目をして亘に言った 「うーん」 亘は自分の部屋から刀を持ってきて 「この刀の真贋は?」 それを受け取った小雪は 「失礼します」 さっと懐紙を口に咥え 鞘から刀を抜き柄を外し銘を見た 「すごい、バラバラに出来るんだ」 雫は声を上げ感動していた 腕を組んでそれを見ていた亘は 「うん、まんざら嘘ではないな」 小雪は元に戻し刀を鞘に収めると 「見事です、打ち方、研ぎさすが長船です」 「では試し切りをしてもらおう。健、懐紙をつるせ」 「はい」 健が天井からつるした糸に懐紙をつるすと 「小雪さん、この紙が切れるかな?」 ユラユラと揺れる紙を切る為には竹を切るより技術がいるのだった 「はい、お任せください」 小雪は刀を取ると体を左にひねり 「はっ」
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