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「はい、4代服部半蔵正重は桑名藩に仕えましたが、それは表向きの話で服部家はそのまま江戸城のお庭番として勤めておりました」
「そうだったのか、新しい学説が・・・」
「でも、だいぶ前に死んじゃったから手がかりは無いわね」
雫は腕を組んで首をたれた
「なあ雫、こないだ俺が優勝した時、凄く強かったろう」
「うん、最後の1本は見えなかったわ」
「あの時何かの力が自分に授かったような気がする、竹刀が青く光ったり相手が止まって見えたり」
「何かの力があったわけ?」
「うん」
~~~~~~~
健は試合の時を思い浮かべていた白川の後ろに客席が見えそこに立っている女性の姿を思い出した
その女性は健が眩しくて見ることが出来ないほど光り輝いていた
「じゃあ、その時会場に私達の仲間の4人目がいたという訳?」
「うん、あの時雫はまだペン、いや首飾りを持っていなかったし小雪もいなかった」
「そうか」
「でも、あの会場って言っても1000人くらい居たんじゃない」
「うん、その内200人はいつも応援している連中だから残りは800人だ」
「だめだ~、多すぎ手がかり無し」
雫は手を横に振った
「雫、あせらずに小雪さんに今の世の中を知ってもらおう」
「うん、そうね。小雪さん」
「はい、勉強します」
「俺が明日から大学に連れて行く」
「いいの?連れて行っても?」
「少なくとも剣道部のコーチにはなってくれそうだ」
翌朝雫が目を覚ますと、小雪は朝ごはんを作っていた
「おはようございます」
小雪が笑顔で雫に挨拶をした、その動きは昨日と打って変わってもう何年もこの家に住んでいるような機敏な動きだった
「あれ?どうして?」
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