仲間

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「えっ?」 雫がびっくりして亘の顔を見た 「雫、抹茶が甘いなど邪道だ」 「だっておいしいじゃない、ねえお兄ちゃん」 「甘い抹茶なんて気持ち悪い」 抹茶ソフトを食べた経験のない小雪が気持ち悪そうな顔をした 「お兄ちゃんはどうなの?」 健は腕を組んで目を閉じて返事をしなかった 「さあ、仕度しよう。新宿から11時過ぎにバスが出る」 健は小雪の肩を叩いた 「小雪ちゃん、買い物へ行こう色々必要なものがあるから」 「はい」 小雪は立ち上がり亘に 「父上殿、これを」 亘は小雪から受け取った小判をルーペで見ると 「おお。これは安政小判じゃないか」 「お父さん、価値があるんですか?」 健と雫と小雪がが興味深く見た 「うん、この後の萬延小判と違って金の含有量が多いから 大体50万円以上で取引されている」 「では私の居候代としてお受けください」 小雪は続いて小判を9枚亘に渡した 「こんなにか?」 「はい、末永くよろしくお願いします」 手を付いて亘に頭を下げた 「うん、兄弟が1人増えたな。それとこの小判は預かっておくお嫁に行く時の持参金にな」 「ありがとうございます。せめて1枚を売って私達の行動費にしてくださいお願いします」 「分かった、じゃあそうさせてもらう。未使用の安政小判は高く売れそうだ」 亘が言うと雫は飛び上がった 「やった!京都に行ける」 「だめだ、学校へ行け」 「はーい、小雪ちゃん行こう」 雫はしぶしぶ返事をして小雪の手を掴んだ
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