赤い星

5/10
前へ
/50ページ
次へ
亘は青い親指大の石がついたペンダントを雫に渡した 「わあ、綺麗」 雫は明かりに向けて石をかざすとキラキラと光りだした 「凄いだろう、石垣島で発見されたんだ。ムー大陸のものかもしれないぞ」 「すごーい」 雫は何度も青い石を見て感動していた 「雫、気に入ったか?」 健が聞くと雫はニッコリと笑って返事をした その夜、寝入っている雫の枕元で青い石が光りだし低い声が聞こえた 「赤い星の子孫よ、兄弟の下へ来い」 「何処に行けば」 「城の下で仲間が寝ている」 「城の下?」 目の前に石で出来た戸が見え その戸が開く映像が見えた 「城の下でお前の仲間が待っている」 「あなたは誰?」 「私はアクア」 「アクア?」 翌朝、起きると雫は健の部屋に飛び込んだ 「お兄ちゃん、大変」 布団の中にいた健が慌てて聞いた 「どうした?」 「昨日、あの石がしゃべったの」 「あはは、それは夢だろう」 「それが凄くリアルなの、質問すると答えるんだもの」 「そんな夢、よく見る」 健は雫の話を馬鹿にしていた 「城の下に仲間が寝ているんだって」 「城の下と言ったって、山のように有るぞ」 「地下道の中を歩いて突き当たりの石の壁が開いたらそこに人が眠らされていた」 「地下道か・・・」
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

182人が本棚に入れています
本棚に追加