赤い星

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健が周りを見渡すとたいまつが数ヶ所あり、それに火をつけると石の扉があった 「ここよ、お兄ちゃん。夢で見た扉」 「うん、それは解ったけど、どうやって開けるんだ」 「この凹んだ所何かしら?」 「うん、見たことある形だ」 健は先日父親の亘にもらった刀の鍔の形を思いだした 「これ、こないだもらった鍔の形と同じだ、ここにはめ込めば何か起きるんじゃないか」 「じゃあ、取りに戻らなくちゃ」 「いや、今俺が持っている」 健はじっと凹みを見ながら、かばんから鍔を取りだした 「なんでもっているの?そんな重い物」 「お守りだよ」 そこに、葵の紋が入った刀の鍔をいれて回し扉を押すと簡単に開いた。 その奥に石の棺おけがあり女が横たわっていた。 「ああ」 健は懐中電灯で女性の顔を照らすと真っ白な体が浮き上がった 「死んでるぞ、雫」 「ううん、彼女の胸の石が光っている」 「確かに」 雫の首からぶら下げている石と女性の石の光がまるで会話をしているかのように、交互に点滅し始めた 「ああ、この人」 雫が女性に手を触れると健と雫は光に包まれた すると、水の使者アクアの声が聞こえた 「私の名前はアクア。私は40億年前火星を捨てて地球にやって来た」 「じゃあ、あなたは宇宙人?」 健が聞くとアクアはすぐに答えた 「私はお前達が言う水だ」 「水ってH2Oでしょう」 雫は不思議になって天井を見ながらアクアに聞いた 「私、意志ある物体」 「水が意識ある?」 「そうだ」 「じゃあアクア。この地上にある水すべて?」
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