伝われ、想い

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霧が晴れるようにいつのまにかやんだ雨。 途端に灰色の空から光がさす。 雨に濡れて静まり返る公園が光を受けてキラキラ輝く。 重ねた唇をゆっくり離し、藍沢の顔色をうかがおうと目をあける。 ドキドキと心臓が暴れてる。 目を見開いたまま石像のように固まった藍沢。 『あいざわ…?』 あまりに無反応な藍沢に不安を覚えた俺は首を傾げる。 もしかしていきなりキスなんてしたのは迷惑だったろうかと藍沢に触れていた手を慌てて引っ込めた。 藍沢の雨に濡れて真っ青だった肌がだんだんと血色の良い色に戻り、そして今度は熟れた林檎のように染まりあがる。 湯気がでるほどに赤くなった藍沢に俺はビクッと体を跳ねさせた。 『おまっ!大丈夫…』 グイッと後頭部へ伸びた藍沢の手に引き寄せられ、気づいた時俺は藍沢の胸の中だった。
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