伝われ、想い

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『っ………』 押しつぶすつもりなのかと思うほど力のこもった藍沢の腕。 『……っ苦しいつーの馬鹿。』 呻く俺を藍沢がより一層力を込めてギュッーと抱きしめた。 コイツ俺を殺すきか…と苦しさに押し返そうとする俺の耳に声を殺して泣く藍沢の息がかかる。 『………………………泣くなバーカ』 そんな藍沢に答えるように背中に手を回し、同じように力一杯抱きしめ返す。 ずぶ濡れになった男二人が抱き合ってるこの光景はきっと周りから見れば、最高に異色に映ったに違いない。 それでも俺達はお互いを強く抱きしめ合い、喜びをかみしめるーー 大好きな人の一番になれたこの最高の幸せを。 明日も明後日も ずっと、 お前のとなりには俺。 俺のとなりに、藍沢。             END
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