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そんな俺の腰に長い腕が回され、ギュッと引き寄せられた。
大きな体で子供のようにしがみついてくる藍沢に俺はあたふたと周りに視線を走らす。
朝早い時間だからといって誰に見られるかわからないのに…と戸惑いながらも俺へスリ寄せてくる藍沢の頭をなだめるように撫でた。
『……………月島、断らなかった。』
ポツリと藍沢が呟く。
『………断りそびれた。で、今日ハッキリ言うつもり』
何となく藍沢が拗ねた理由がわかってきた俺は自分の頬が熱くなるのを感じた。
ヤキモチ…やいてたのか。
『俺も一緒に行く。』
『藍沢も一緒だったら北山さん困るだろーが。』
可愛いワガママを言う藍沢の頭を優しく小突く。
すると不服そうに眉をよせた藍沢がこちらを睨むように見上げてきた。
『困ればいいんだっ!人のもの横から奪おうだなんて奴は馬に蹴られてしまえばいいしっ!』
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