彼女が萌えられないものは

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「にしみや、みこ…」 思わず、彼女の名前を復唱する。 「そっ、忘れないでよ?私だっていくら本当の事だからって腐女子って呼ばれるのは…アッー!!!」 ふじょ…西宮美子はまたペラペラと喋りながら時計を見て、奇声を上げた。 「ももももうこんな時間じゃないか!!!このままでは見逃す!腐女子が大好きなアニメを見逃すよ!!!ナンテコッタ!!!今回はさかぐちさんのターンなんだよぉぉぉおぉおぉぉぉ!!!!!」 なにやらアニメの時間が迫っているようだ。 西宮美子はものすごい速さで帰り支度を終わらせた。 これをネット上では光の速さと呼ぶのだろう。 「じゃっ、私はもう帰るねっ!陶山くんも早く帰るんだよー!」 そう言って、西宮美子は廊下に飛び出した。 きっと全力で家に帰るのだろう。 「…黙ってれば、可愛い…んだろうなぁ…」 俺も、もう帰るか。
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