後×坪

12/55
前へ
/314ページ
次へ
――『後藤くんてさ、普段はクールなのに由子のことだけは熱くなるよね』 『も~ 純子ったら何言ってんのよ////』 スタイリストの村上純子は大学の同期で親友だ この世界に入ってからなかなかゆっくり会えなかったが、マネージャーの計らいで今回の現場はいつも一緒にいられることになった。 『あ~あ…淳平になんて言おう…』 『ん~~そのまま伝えたらいいんじゃない? ケンカしたくないなんて思うから言えなくなるのよ。 ありのままでわかりあうのが理想かな~~ ま、言うのは簡単だけどね‥』 『‥‥ありがとう、純子。 こんな時にそばにいてくれて本当によかった』 『そういう素直さが可愛いんだからね、由子は』 ――アハハ、と照れ笑いしながらまだ少し不安な私だった。 深夜の密会騒動が今朝になって事務所から知らされたため 約束の時刻よりも早くスタジオ入りしていた私。 心配した純子はずいぶん早くから来てくれてたと、別のスタッフが教えてくれた。 ‥亘さんとは何にもない‥‥ でも、あのとき二人で会っていたのは事実‥‥ .
/314ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加