もうひとつのぷろろーぐ

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少女は、あぅん、と妙な声を発しながらしぶしぶシシルの上から退ける。 シシルは体に付着した草を払いつつ、立ち上がるなり口を開く。 「とりあえず元気そうでなによりだよぅ、くぅ」 改めて少女…くぅを見据えるシシル。 並んだ二人の背丈は、さほど変わらない。 強いて言うなら、くぅのほうが少し高いくらい。 見れば、くぅは白い着物を身に纏っている。 シシルと同様に細身の体をしているくぅには、白い着物はぴったりすぎるくらいだ。 「…まだまだ、姉さまに話したいことは山のようにあるんだからねっ」 ぷくりと頬を膨らませるくぅの表情は、まだまだ物足りないような感じだ。 …この様子じゃ、今夜は寝れそうにないよぅ。 と、シシルは小さいため息を漏らしつつ、あることに気がついた。
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