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「……あ、あれ?」
まるで、ハテナマークが乱舞しそうなくぅの声。
あれほど早く行こうと張り切っていたくぅは足を止め、目を見開かせている。
その表情はまるで、“目の前の光景”が信じられないといったような感じだ…。
「くぅ?」
シシルは、思わず首を傾げさせてしまう。
「―――どうしてすっぽんぽんなの姉さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
さながらそれは、くぅの心の叫びだった。
「今さらだよぅくぅ。私はさっきから裸だったよぅ?」
そこに羞恥心はない。
シシルは、けらけらと無邪気に笑う。
ぎぃぎぃぎぃぎぃ、と鳴き声を上げて羽ばたく野鳥の群れ。
恐らく木の枝で翼を休めていた彼らは、くぅの叫びに驚いて慌てて飛び立ったのだろう。
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