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そうなのならば、それでも構わない。
俺は二度と、同じ罪を犯さないように努めるだけ。
ただそれだけだ。
そのためにも、今はシシルからもらった新しい道をひたすらに進む…。
「…なんて、ネコにそんなこと聞いてもしょうもないか。
どうかしてるな、俺」
――会いたい。
後ろから、がちゃりと音がする。
振り返ってみると、天下が玄関から出てきたところであった。
息が切れており、肩が忙しなく上下に動いている。
そのたびに、自前のツインテールが揺れていた。
「ごめんねお兄ちゃんっ!」
天下は切々の声で、深々と頭を下げた。
「あー、いいって。
それにしても天下が寝坊助になるなんて、珍しいな。明日は隕石でも降ってきたりして…」
冗談を交えつつ、はははと笑う俺。
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