ぷろろーぐ

5/8
前へ
/16ページ
次へ
そうなのならば、それでも構わない。 俺は二度と、同じ罪を犯さないように努めるだけ。 ただそれだけだ。 そのためにも、今はシシルからもらった新しい道をひたすらに進む…。 「…なんて、ネコにそんなこと聞いてもしょうもないか。 どうかしてるな、俺」 ――会いたい。 後ろから、がちゃりと音がする。 振り返ってみると、天下が玄関から出てきたところであった。 息が切れており、肩が忙しなく上下に動いている。 そのたびに、自前のツインテールが揺れていた。 「ごめんねお兄ちゃんっ!」 天下は切々の声で、深々と頭を下げた。 「あー、いいって。 それにしても天下が寝坊助になるなんて、珍しいな。明日は隕石でも降ってきたりして…」 冗談を交えつつ、はははと笑う俺。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

328人が本棚に入れています
本棚に追加