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「うー…ごめん」
肩を落とす天下。
そんなちょっとした仕草が、我が妹ながら愛らしい。
基本的に天下は早起きで、六時あたりで確実に起きる。
それに対して俺は、起こしてもらわなかったらいつまでも寝ているタイプだ。
故に、俺が天下に起こしてもらうのが我が、最早家の方程式と言っても何らおかしくはない。
しかし、今日は何故かその立場が逆転してしまったのだ。
要するに、俺が天下を起こす方になったということだ。
「あ、どうしたのそのネコ」
黒いのらネコの存在に気がつく天下。
そして、はっと目を大きく見開かせる。
「もしかしてシシルちゃん!?」
「いや、シシルは毛が白かっただろ。
コイツは明らかに黒いから」
まだ寝ぼけているのだろうか。
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