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(僕の全魔力を使うとっておきだけど……やるしかない!)
ペギーは氷の中、詠唱を開始する。
(どうするか……)
そんな中、カインは突如現れた氷の防御魔法に思考を巡らせていた。
ペギーの意図があり完成された防御魔法だが、こういう使い方をされたのは初めてだった。
(時間稼ぎか?なら……)
《黒の衝撃を彼の者に与えその身を壊せ!》
(壊す!)
カインの右手にまた黒いオーラが纏わり付く。
そのまま氷の塔へと駆け出した。
《ダークインパクト》
カインは勢いに任せ、それに手を押し当てた。
黒いオーラは消えたかと思ったが、すぐに黒い花と姿を変えて塔に衝撃を与えた。
ダークインパクトの威力は凄まじく、地面が揺れるほど。
アイスタワーはその威力の前に淡い光となって姿を消した。
《――氷の巨人よ!一時の間その力をもって敵を払え!》
逆に姿を現したのは詠唱を完成させたペギーの姿だった。
ペギーはカインを見て口元を緩ませると、魔法の名を詠んだ。
《アイス・ゴーレム》
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