認めているからこそ

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「オレも後から応援に行くからな!」 「…………」 玄関。 マティはカインを見送るが、彼女に鋭い視線が向けられた。 「……わ、私も後でお、応援に行き、ますので」 と、直ぐさま言い直すとその視線は収まる。 「ありがとう。じゃカグヤ、マティ。行ってきます」 カインは苦笑しながら手を振る。 二人は頭を下げた。 「さて……マティはカイン様の部屋の前の廊下を掃除してから来なさい。それでは」 カグヤはカインを追うように扉を開いた。 マティはカグヤがどこに行くのかを知らず、首を傾げながら仕事へ戻っていく。 「はぁ……あの廊下長いんだよな!」 そう言いながらも口調は楽しそうである。 それもそのはずマティは掃除が得意だった。 素振りからは想像できないが、カグヤの目の届かないところでも任される程である。 (間に合うかな……?) マティは箒を手に、廊下へと向かった。
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