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「悔しいけど私は到底敵わなかった……」
エリザリーネは昨日の試合を思い出す。
剣術だけなら負けてはいなかった、むしろ押していた。
だが――。
その先を思い出すとエリザリーネは体を震わせた。
「……とにかくがんばってね!ライファさんには秘密だけど私はギルアークくんを応援してるからね」
そう笑いかけるエリザリーネの顔はやはり姉妹だろう、フラウールに似ていた。
「……ありがとう」
カインは再度お礼を言うと歩みを進めた。
カインが木陰に腰を下ろすと間もなく試合は開始された。
次々と試合は消化されていく。
緊張感漂う独特な空気は、実力を奪い取りもし、与えもした。
カインもその空気の中戦い、勝利を収めていった。
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