認めているからこそ

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「カイン・ギルアーク!ライファ・ヴァルドール!前へ」 男性教員の大きな声が校庭に響く。 カインは木陰から立ち上がると、様々な視線の中ゆっくりと中央へ向かう。 対してライファも観客の中から姿を現した。 「兄様!応援しています!」 観客の中から手を振る妹に笑みを送る。 そして、フードを深く被ると顔を引き締めた。 「……久しぶりですの」 両者中央で相対した時、ライファからカインに声をかけた。 それに対してカインは少し驚く。 「久しぶり……」 どこか気まずそうな雰囲気が流れる。 それもそのはず、去年は同じチームとして戦ったことのある二人だが、そのチーム戦が終わって以来疎遠になっていた。
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