認めているからこそ

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《ソロウ》 《キングスティアー》 二人は距離を取ると魔武器を召喚する。 カインは柄から刃まで黒という異色の剣だが、ライファもまた異色の剣である。 ライファは駆け出すと上段からその異色の剣を振り下ろした。 「…………」 カインはそれを横に避けると、その剣は地を割る。 それほどの威力を持つ魔武器――この少女は自分の身の丈よりも高い剣を羽の如く扱う。 「相変わらず、だな」 「ふんっ、今のはただの挨拶変わりですの」 カインが目を細めると少女は得意げに笑みを浮かべた。 通常は仲が良いとはいえない二人だが、こと戦闘においてはたいへん馬が合った。 それが仲間としても対戦相手としてもだ。 何を話していいのかわからなかった試合前とは大違いであり、お互い素の部分で話せるという奇妙な関係である。
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